ミドリマツベーカリーです。
週末は、とても良いお天気でお出かけ日和でした。
そんな気持ちの良い週末、お店に足を運んでくださったお客さま、
本当に、ありがとうございました。
マダムです。
前回のお話しの続きを。
マダムが東京でパンにどっぷりと浸かっていた当時、
若かったマダムは、仕事でしっかりと痛い目に遭い、
すったもんだで勤めていた会社を退職しました。
その頃、親しくしていた人のお兄さんが中国に短期留学していて
誘われるまま、一緒に中国へ遊びに行くことに。
『中国、面白いから一度遊びにおいでよ。』と言われていたのですが、
マダムは、やっと退職した職場のアレコレで傷心のままに出発。
バックパックの貧乏旅行です。
・・・初めて行った中国は、驚きの連続でした!
まず、到着した空港のトイレに個室のドアがなかった・・・。
お兄さんの考えてくれた旅行の工程は、
少数民族の村とか、なんでも治せる漢方薬を調合してくれる名医のいる村だとか、
2週間弱(←だったと思います)の大移動・見所満載のコースでした。
・食堂で出された水・氷は飲んだらダメ。←お腹壊す。
・瓶ビールと一緒に出されたコップは、持参の水ですすいでから使用。←お腹壊す。
・トイレットペーパーは、常に持ち歩く。←トイレの紙は持参。
・シャワー、お湯出たらラッキー。←まず確かめてからじゃないと危険。
そんな現地での常識は、すぐに飲み込んだマダムですが、
とても印象に残っている場面がいくつかあります。
移動で利用した長距離バスは、寝台バスとは言いながら
割り当てスペースもなんだか曖昧でキムチの匂いが充満してました。
(車内、真っ暗。)
現地の人と一緒のギュウギュウ満員バスで毛布にくるまり深夜の移動。
数時間のち・・・トイレに行きたい・・・。
唯一、中国語の話せるお兄さんが、運転手さんに伝えてくれました。
バスが止まると、他のお客さんもバラバラと外へ。
なーーーーんにもない暗闇。ただ一直線の道路があるだけ。
(ふんふん・・・道路脇の草むらで用を足すのね・・・。)
真っ暗闇を見上げると、満天の星空。
(あぁ、ここで置いて行かれたら喋れない私は二度と日本へ帰ることはできないかも。)
点呼なんてもちろん取ってないし、人数すら数えてなさそう。
(当時、マダムは携帯も持ってなかった。)
全力ダッシュでバスに戻りましたが、あの真っ暗闇で見た満天の星空は
忘れることができません。
別の日、トレッキングにて。
なーーーーーんにもない山道を、てくてくと歩いていました。
途中、欧米からの旅行者らしいカップルの女性の方から英語で
『日焼け止め、持ってない?』と聞かれたっきり、
誰ともすれ違わず、ひとっこひとりいない山道。
なかなかの道のり。だんだんと、みんな無言に。
途中から、各々体力に合わせて
歩いたり、ちょっと休んだり。
前後、視界に入らないほど離れてしまい、見渡す限りひとりっきりで、
片側断崖絶壁の山道を歩いているときのこと。
(ここでもし、崖から落っこちたら、目撃者はゼロ。どこで落ちたかもわからないし、
いなくなったことすら、わからないかも。)
広大な大自然の中で、クタクタで、そんなことをぼんやり考えてたら
東京で傷ついたすったもんだのことなんて、
ものすごーーーく、ちっぽけなことに思えたのです。
(元はと云えばバカラック。)
世界はうーーーんと広いし、生きていればどうにでもなるさ!!
傷心で出かけた中国旅行は、その後のマダムを勇気つけてくれることになりました。